ヒマラヤ聖者の生活探求
第1巻 人間本来無限力 ベアード・T・スポールディング 仲里誠吉 訳 霞ヶ関書房
エミール師はいう。
「これは沈黙の廟(びょう)、『力の場』と言われています。沈黙は力です。
わたしたちが心の中にある沈黙の場に達したとき、わたしたちは力の場・・・
そこではすべては一つの力である・・・
即ち、神に達するのです。
集中された力は神である。
『黙せよ、しかして自らの神なることを知れ』とある通りです。
散乱した力は騒音となり、集中した力は沈黙となります。
沈黙の中において神につながるのです。
神と一つになるのです。わたしたちは、集中によってすべての力と一つになるのです。
これは人間が神より受けついだ遺産であります。
『われと神とは一つである』。
神の力と一つになるには、只一つの道があるだけです。
それは神と意識的につながることです。
それは我(われ)のそとで為しうるものではない。
なぜなら、神が我が内から現われるものであるからです。
『主はその聖なる宮居にいます。全地よ主の み前に沈黙せよ』であります。
我が外より我が沈黙(しじま)に向ったとき、
われは神との意識的な融合を望み得るのです。
神は人間に活用される為にあるのであり、人間は常に神を活用するようになることを、
何時かは悟るときが来るでしょう。
その時、
人間が神の力と一つであることを悟るでありましょう。
又、その時初めて人間というものが本当によく理解されるでしょう。
そしてこれまで実相をあざむき くらましてきたものや
虚栄を放下するようになるでしょう。
自我というものが どんなに無智で小さいものであるかが分かるでしょう。
その時初めて 真理を深く学ぶ心構えができたことになるのです。
憎上慢の者には学ぶことができず、
謙遜な者のみが真理を学び取ることが分かるでしょう。
そのような人の足は堅固な岩に立ち、もはやつまづくこと
もなく、心定まりて平安となるでありましょう。
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