ここは「不安の国」とよばれるとこです。この国には、ほんのわずかながら植物が見られました。
住人たちが、住まいの近くで菜園をつくろうとしていたからです。
彼らの住居はびっしりとひっき合い、小さな町をつくっていましたが、その光景は住民の霊的な貧困さを表すように、荒涼としていて醜いものでした。
ここもまた自己中心と貪欲が支配する場所なのです。
住民のほとんどは、地上生活を終えたすぐ後に来た者たちでした。
みずぼらしく嫌らしい顔つきをしている彼らは、私の目にはまるで浮浪者か乞食のように映りました。
しかし地上では、
贅沢な生活を思うままに享受してきて富裕階層の人々であったり、流行の先端を追いかけるような派手な生活を送った著名人ばかりだったのです。
そんな恵まれた環境にいた人たちが、どうしてこんなところに来てしまったのでしょう?
彼らは、富を自分の享楽のためには惜しみなく使いながらも、困っている他人にはほんのわずかしか与えませんでした。
それは、テーブルいっぱいのごちそうの中から、
パン屑程度しか人には食べさせないのに等しいことでした。
だからここでは、今日食べるパンにも事欠くような、乞食のように貧しい者になってしまったのです。
魂の霊的な富は、
最高に金持ちの王でも、もっとも貧困な乞食でも、同じように地上生活で獲得できます。
それには、人に愛を与えること、見返りを求めずに奉仕することで、どんどん増えてゆくものなのです。
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備考、
お金持ちの人は注意が必要です。魂の霊的な富は貧富の格差に関係なく獲得できます。
蒼氓。
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