問「地上で犯す罪は必ず地上生活で報いを受けるのでしょうか。」
答「そういう場合もあれば、そうでない場合もあります。いわゆる因果律というのは必ずしも地上生活期間中に成就されるとは限りません。しかし、いつかは成就されます。必ず成就されます。原因があれば結果があり、両者を切り離すことはできないのです。しかし、いつ成就されるかという時間の問題になると、それはその原因の性質いかんにかかわってきます。すぐに結果の出るものもあれば、地上生活中にはでないものもあります。その作用には情状酌量といったお情けはなく、機械的に作動します。罪を犯すと、その罪がその人の霊に記憶され、それなりの結果を生み、それだけ苦しいおもいをさせられます。それが地上生活中に出るか否かは私にも分かりません。それはさまざまな事情の絡んだ複雑な機構の中で行われるのですが、因果律の根本の目的が永遠の生命である*霊性進化にあることだけは確かです*。」
十章 質問に答える 179p
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備考、
霊の目的は、”霊的人格”の完成にある
・・・いままで述べてきたことは、霊界に関してのもっとも基本的なことを実は示している。それは一言でいえばつぎのことなのだ。「霊の生活の目的は霊的人格(この言い方は少し奇妙で正確には「霊格」というべきだろうが)の完成にある。そしてそれがより高度に完成されて彼は初めて最上の天国に入れる」。
言葉でいえば一言だが、実はこれが霊の世界演じられる多くのドラマの背景にある根本の原則なのだ。
「天の理が生命、理性,調和などの根本にある。だからそのことをよく認識し、それに従って霊的生涯を生きること、また、そのように自分がそのように生きられるようになること」最上の天国が「ひとりの霊の幸福は、万人の霊の幸福、万人の霊の幸福はひとりの霊の幸福」という世界だとは前に述べた。これはつまり調和や連帯を示すものだが、そうはいってもそこに住む霊自身が、調和や連帯を自分の心のモットーとしているようでなければ、そんな世界はできるはずがない。だから彼はまず第一に、そういう世界に適する霊にならねばならない。
そして、そうなることがつまり霊的人格の完成なのだ。
続 スウェデンボルグの霊界からの手記 79p
蒼氓。