「人は神」である
まあこういうわけで、人間とは霊です。言い換えると、人間というものは、肉体というのは、80年間の借り物なんです。そして人間の本体、人間そのものというのは霊なんです。永遠不滅なんです。永遠不滅ということは何かというと、永遠不滅なるものはこの世の中に一つだけございます。神様でございます。全知全能にして不滅なるものは神様でございます。それと同じように永遠不滅なるものが人間の霊なんです。我々の本体なんです。ということは、霊というものは神の分身だと、神から分かれたものだと、神の部分だと、神の火花だということなんです。こういうことが心霊研究でわかっています。 要するに、人間というものは肉体じゃなくて霊なんだ、霊は永遠不滅であって、神様から分かれたものだ、神様の部分なんだ。言い換えますと、皆さんは霊であって皆さんは神様なんです。80年で焼き捨てられてなくなるような、吹けば飛ぶようなものじゃなくて、厳然たる神の分け御霊なんです。光り輝く全知全能と同じ性質をもっているものが我々なんだ、ということが分かってきます。
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人間は霊と肉体の二面性
さて、神の子供にしては、光ってもいないし、悪い事も大分するし、神の子っていうのは嘘じゃあないかと、誰しも思います。それもその筈です。この地上に生きている私たち人間は、神の子供である霊魂プラス肉体というわけです。肉体が霊にプラスされて一緒になっているわけですね。そして、肉体というのはご承知のとおり欲望を持っております。 生きるためには物を食べなくちゃいけない、物を使わなくちゃいけない。だから物欲というものがございます。食欲、物欲がございます。それから子供を作っていくために性欲もございます。この性欲と食欲という本能は動物も持っております。
いわゆる動物的な欲望を持ったのが肉体なんです。その肉体と、神の分け御霊である霊とが一緒になったものが人間なんです。
だから現実の人間は、肉体の動物的な面が表に出てしまいますと、動物的なものになる面があります。また時々素晴らしい発明をしたり、良心のひらめきがあったり、英知がひらめいたりして神の片鱗もあるということですね。こういうわけで現実の生きている人間というのは、神の子と動物的な肉体との二面性、つまり神の性質(神性)と動物性の二面の姿を持ったものなんです。
宮澤賢治とでくのぼうの生き方 話
桑原啓善 でくのぼう出版 1995年刊