彼等の中に、善悪のいずれかへ誘う何か原理とか傾向があるのですか。
「自由意志は、霊が自己意識をもつに応じて現れてくるのである。
もし本人の意志とは別の原因で動かされるなら、霊に自由はないと言えるだろう。彼の選択を決定させる要因は、本人の内にはなくて彼の外部に、つまり、本人の自由意志をそそのかすような影響の中にある。
人類の堕落と原罪という形でいわれるものは、この選択のことである。ある霊は誘惑に負けた、ある霊はこれに抵抗した」
-ー何処から、その人間に働きかける影響はくるのですか。
「*1不完全な霊から来る。彼等は人間にとりついて、これを自由にしたいと思っている。
人間が負けると彼等は喜ぶ。サタン(悪魔)として諷刺的に画かれているものは、この誘惑のことである」
ーーこの影響は、その初源の時にだけ、その影響は及ぶのですか。
「いのちある限りその影響は及ぶ、但し、彼が十分な自律心を身につけ、悪霊が憑依したくても出来なくなるまで続く」
5章 霊
霊の書上 アラン・カーデック編 桑原啓善訳
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参考、*1 いわゆる、不浄霊、自縛霊。