東山魁夷・心象風景(白馬シリーズ)
青の旋律
東山魁夷の全作品を貫く基調は青である。
青は清浄、郷愁、静寂、孤独などを感じさせる色である。なぜこんなにも東山魁夷は青に心を寄せるのであろうか。青は赤や黄に比べて全面に出ず、自己主張をしない。外に向かうよりも、内に沈潜する傾向がある。これは魁夷のもって生まれた資質でもあろうが、また、人生を経験して培われた結果でもある。清浄や静寂は、東山魁夷が森や湖、古い町の佇まいに見出したものであるとすれば、郷愁や孤独は、それに感応した画家の心の響きであるようにも感ずる。
東山魁夷は若き頃、ヨーロッパに絵の勉強をするために留学しているが留学先を選ぶ際、花の都・パリではなく、薄明かりの地・ベルリンを選んだことからもわかるように、自身の中に常に、南より北を暖色より寒色を希有する傾向があったようだ。
白馬の森
ここに描かれた、白い馬も森の木立も、現実のものではなく、私の空想から生まれたものです。さて、この馬は何を表しているのかと、時々、人から聞かれることがあります。私は「白い馬は私の心の祈りです。」と答えるだけで、見る人の想像に任せてきました。あなたはどのように感じられるでしょうか。
東山魁夷は「画集白い馬の見える風景」(1973)で、「夕明かり」に次のような言葉を添えています。
祈りの時が来た
静かに鳴らせつりがね草
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絵は私の祈りです、
描く私と、見る貴方、その時、その絵の中には、心と、こころがかよいあうのです。
魁夷。
この、ブログも、書くわたしと、読むあなた其処には高級霊の愛があります。
蒼氓。