の文における「入ー一切衆生心想」が、実にそこから限りなく創造活動がいとなまれていく根源的な契機となっているのである。念仏とは、そして、念仏三昧そもののいとなみとしての芸術的な創造活動とは、不断の自己脱却に即しっっ念々に根源者(阿弥陀仏=法界身)に直結し、そこからの心想への流入がそのまま人間の創造活動となっているのである。芸術かつどうとは元来、決して単なる人間の主観のいとなみの次元にとどまるものではなく、かかる主観主義を限りなく超え出ていくところにいとなまれてゆく行為なのである。三木清も論じた「構想力」の問題も本来的にはかかる宗教的超越的な実践の地平と関わっているのである。弁栄上人の縁にあった多くの人たちもかかる上人の芸術作品に触れることによって、実に阿弥陀仏のはたらきそのものに触れていたのである。そしてそれぞれにみずからの信仰に目覚め、その信仰を深めていったのである。
山崎弁栄上人
ーー その生涯と宗教芸術 ーー
川波昌
抜粋
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光明主義用語集
法身(ほっしん)理法の御身。宇宙全体一切のものは宇宙大霊が自分の理法のままに発現されたもの故に
宇宙大霊は大宇宙内の一切を生み、統一摂理し給う超在の一体神に在し理法の御身に在す故に法身とお呼びする。 産みの御親
阿弥陀如来・阿弥陀佛 無限の大宇宙を身とし心とし給う御方で、一切諸仏の諸菩薩あらゆる神々及び私共一切衆生の本元の親様であり諸仏を統摂し一切万行の帰趣する所の御方即ち独尊統摂帰趣に在す御方。「法身・報身・応身の三身即一に在す最も尊き唯一の如来よ」とお呼びするのは親様であらせられる如来様のお徳の表明。光明主義においてはその如来様のことであって西方浄土に在する諸仏のなかの一佛としての阿弥陀如来ではない。従って私共が南無阿弥陀仏と帰依し奉るのも従来の所謂阿弥陀佛ではない。
所謂=いわゆる
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人生の帰趣 0208
(二)統摂
大霊は宇宙の大法を以て万物を統一摂理するを云う。
統摂と帰趣ーーーー 一切知と一切能
独尊統摂帰趣の三義云うも大霊に体が三あるのではない。
独尊なる大霊が一切万物に対して基法則を以て能く秩序を整へ条理を為さしむると万物を生成する勢力とにて、言う換(か)ふれば大霊の一切知と一切る能との二属性を有つて居る事にて、更に小さく人間に例して云はば知覚と運動の二性を有する人であると云う様なものである。
統摂。
天地万物が行はれて自然の法則がこ基常規を違はず細大となく行はれゆくは万物内在の智慧が存在するからである。
例えば人間に理性があるから物の秩序が判る如く万物中に自ら完全な理性云ふべき性が存在するから天体の星雲が運行するにも基秩序を失はず如何に細少生物の生理に至る迄も自然法則がきちんと定つてゆくのは大霊の一切知が万物に内在する故に物のきまりが立つてゆくのである。
理性的に物の秩序を為し條理を為して行くが一切知なので而して一切の生物の為めに内外の力と為りて自らも活動し外からも力を与えて生成養育せしむるのが一切能と云ふ。
是万物が活動するの一大原動力は大霊の勢力より発現するので此勢力を以って万物生成活動する故に万物が基結果として終局に帰着することが出来る。
一切知と一切能との二属性が一切万物に対して統一摂理し生成帰趣するの性能となるのである。
法は即ち法理の事にて仏教にて法爾の理と云う又自然の理と云うも同じ事にて、火は熱くして物を焚き水は潤ふて低きに流るなど総て物理学上に説明する処、物の理法又植物の理と云えば枝葉根茎を為す処のきまり又生物生理の営養生殖の理法にも自然の法がきまって居る。
眼は色を視耳は声を聴き舌は味ひ鼻は嗅ぐ等の感覚、又苦楽を感じたり物の差別を認識し得る智慧等の心の理法も皆心理としてきまりて心の働きをなす事、
唯識論抔には眼耳鼻舌身意色声香味触法の法から乃至百法を以て人の心理上の相を説明している仏教で万物には自然に眼は物を見
又火は物を焼くと云ふ如き物理にても心理にても自然法爾の理と云う物はすでに具有して居る事を法とも理とも名づけてある。
其一切万法の一大限則であるから法身如来とも名づくるのである。
法身は万物に其法爾自然の理を具有して万物を各其理法に随つて其働きを為して摂理するのである。
人生の帰趣 山崎弁栄
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僭越ながらここに記す 蒼氓。