第 六 話
吾を死より挙げ給いし父のみ霊汝等の中に住給う。
1
わたしを『死』より挙げ給うた父なる神のみ霊があなたたちの中に宿っい給う。
2
この言葉の重大性が多分あなたたちにはよく解っていないであろう。しかしそれは全く同一のみ霊であって、み霊に区切りはなく、唯一無二のみ霊が多の中に顕現し、多は一(なるみ霊)の中に存在しているのである。
3
わたしがわたし自身の生命の中に完全に観たのはこの巨大なる力であった。それに気づくことによってわたしは、わたしの中に宿り給う父なる神のみ霊の力を用いることができたのである。わたしを死者から挙げ給うたこの父のみ霊があなたたちの中にも又ましますのである。
4
あなたたちの肉体感覚が不調、苦痛、死を示したら、自分の中に留どまり給う父のみ霊を思い出すがよい。
5
(吾は神なり)という力の言葉によってそれ(父のみ霊)を喚び起してみ霊を顕現させるがよい。『吾、神なり』という言葉の意味があなたたちに十分に理解されているであろうか。
6
その本当の意味が解らなければ『吾、実在の中に在り』という言葉は出せない。"i am"という言葉の意味が解って始めて、あなたたちは力の言葉を学び取ったことになるのである。『わたしは生命である』。神の生命がわたしの中で生き給うが故にわたしは生きている。生命は神であり、神は生命である。
7
故にわたしの霊はあなたたちの肉の身に生命を与え、感官という悪魔はあなたたち(の真我)に屈服するであろう。
8
自分の裡に宿り給うみ霊の内在力、という真理にあなたたちを盲目にしてきたのは、常にこの感官という悪魔であった。
9
感官は物事を外側から示してみせるが、神のみ霊は真理を内側から啓示し給う。この真理を身につけていないと、人は無力である。
10
肉の感官は物事を外から見るだけであり、しかも見たところのものの実相を知らない。ただ知能だけによって推理するのみである。それは霊感を受けない。もともと霊感は内部より来るものだからである。
心身の神癒 : 主、再び語り給う
M.マグドナルド・ベイン著 ; 仲里誠吉訳
霞ケ関書房, 1972
備考、
感官=感覚器官又その働き。