1章 30
然るに人々は死せる者の蘇りを聞くやこれを嘲笑った。
しかし生命体である宇宙にどうして死せるものがありえようか。
久遠に生きてい給う神の中にどうして死せるものがありえようか。
なる程到る所で変化がおきてはいる、しかしその変化の中には死せるものは何ひとつないのである。
悉くの粒子がひとつの形態より他の形態へと変幻する生ける粒子なのである。智慧なき者の見るのは死であり、啓明された者の見るのは大生命の働きである。
智慧なき者は一つの状態より他の状態への遷り変りの法則を解しない、
その故にこそ人はみずから死と称する迷妄をみずからの心の中に造り出してしまうのである。
1章 31
全宇宙の中一粒たりとも死んでいるものはない。
一切の粒子は神の中に在って生きているのである。
あらゆる粒子が移り変わりつつあっても、それさえも大生命の生きた表現なのである。
これらすべての(現像の)下にある基本原理が、中心なる愛の泉より最微の被造物に至るまで流れてやまぬ愛の力なのである。
心身の神癒 : 主、再び語り給う
M.マグドナルド・ベイン著 ; 仲里誠吉訳
霞ケ関書房, 1972
啓明
② (━する) 教え明らかにすること。