投書(七)───今地上にはさまざまな病気で無数の人が苦しんでいますが、その人たちはみな過去世の過ちの償いをしているのでしょうか。そうやって苦しむ為に地上へ戻ってきているのでしょうか。
「苦難は生命進化の大道における不可欠の要素です。では苦難の法則がどのように働いているかとなると、簡単には説明できません。霊的な因果律の働きを考慮せずに、ただ表面の物的現象だけで推断するのは禁物です。
といって因果律は目に見えませんから、そういうものの存在を信じるほかありません。つまり大霊は愛と叡智の極致ともいうべき存在ですから、究極においては必ず公正が行きわたるようになっていると信じることです。
地上人生は全存在のホンの一側面に過ぎません。地上生活が全てではないのです。
その間の出来事についてもきちんとした埋め合わせと償いの法則が働いています。
カケラほどの短い人生の表面だけを見て大霊のなさることを批判すると間違いを犯します。それは他の大きな側面を無視することであり、それすら全体の一部に過ぎないからです。
何一つ忘れ去られることはありません。何一つ見落とされることはありません。
何一つ無視されることもありません。摂理が全てを支配しているのです。あらゆる存在が、あらゆる側面が、大きい・小さい、単純・複雑の違いの別なく、永遠に不変の摂理によって支配されているのです。
どうしても理解に苦しむことがあれば、それはまだ自分には理解力の及ばないことがあると観念すべきです。人間は、物的身体を媒体として生活するという宿命的な制約を課せられています。 しかし、そうしたものにお構いなく、〝愛〟はすべてのものに作用しているのです。大霊とは愛にほかならないのです。愛は必ずいつかは目的を成就します。 私たちがこうして皆さんのもとに帰ってくるのも、あなた方への愛があればこそです。必要とあればどんなことでも致します。が、余計なこと、無益なことはいたしません。
あなた方にその価値が分かるものしかお教えしません。理解力というものは魂の成長から生まれるものです。
梯子を一段高く上がって初めて、その次の一段が見えるようになります。その梯子が無限の彼方へと続いているのです。 その梯子の低い段階にいるあなた方に代わって、私たちがすべての問題を解決してあげるわけにはまいりません。冷たい心でそう申し上げるのではありません。物的身体に包まれたあなた方には理解できない要素があり、私たちが代って解答を教えてあげることは余計なことであり、無駄なことだからです。
どうしても理解できないことは、これまでに授かった霊的真理を頼りとして〝信念〟を持つことです。根拠のない手前勝手な信念ではありません。スピリチュアリズムによって明らかになった霊的実在に得心がいき、その理解をもとに、人生のすべてが大霊の愛と叡智によって支配されていて、自分もその中にあるのだということを確信する、そういう信念です。 その信念をもつに至れば、自分および自分の周りに何事が起きようと、それは大霊の思し召しなのだという理解が生まれるはずです。
私は断言します。
地上生活で生じるいかなる苦難も、自分の内部および外部の力を総動員しても解決できないほど大きなものはありません。
その解決の為の必死の努力が、霊性を磨き一段と大きく成長をさせるのです。地上生活の究極の目的はそこにあるのです。
難問に遭遇し、それと格闘し、その結果として霊的成長を得るということです。
もしもその信念に迷いが生じた時は、その迷いを一旦鎮め、冷静な精神状態のもとで、それまでにあなたが辿ってきた道を振り返り、大切な節目節目に必ず不思議な力が働いてそこまで導かれてきたことを、改めて確認することです。
あなた方は、この地上にあって
こうした素晴らしい霊的知識との出会いがあり、それが生涯を通じて導きの光となったということは、
大変幸せなことです。
霊的に見れば、かつて地上で愛のつながりのあった人々や、地上的な縁は無くても霊的な親和力によって結ばれている、いわゆる類魂との関係が強化されるということです。 そうした背後霊団が望んでいることは、その協力関係によって他の多くの、無知の闇の中にいる人々を救ってあげることです。私たちがこうして地上へ帰って来た目的もそこにあります」 メンバーの一人
───こうした素晴らしい知識を聞かせていただく私たちは。
本当に幸せだと感謝しております。
「私こそあなた方に感謝しております。あなた方の協力があればこそ、ささやかとはいえ、暗闇に光明をもたらすことができているのです。その光明を一段と強力なものとして伝導の道を歩んでいただきたいのです」
シルバーバーチの新たなる啓示
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