真理との邂逅 高級霊のメッセージ   

  「わたしは生命である」神の生命がわたしの中で生き給うが故にわたしは生きている。生命は神であり神は生命である。 心身の神癒 第6話6 *****あらゆることのうち最も重大なのは、神のみが生きてい給うのであり、その神が今の今御自身を顕現しつつあるのを認めることである。私の中に常に留まっておられるのは父であり、父が父御自身の業をしていらっしゃるのである。

2章 二人のドリス

2章 二人のドリス

 

現在(1990年)英国で最も目立った活躍をしている女性霊媒に、二人の[ドリス]がいる。

一人はドリス・ストーク、もう一人はドリス・コリンズである。

その二人がそれぞれの夫君を伴って出席した時の、シルバーバーチとの対話の様子を紹介しよう。  

最初に紹介するのはストーク女史で、夫君で心霊治療家でもあるジョン・ストーク氏を伴って出席した。

シルバーバーチは例によって歓迎の言葉を述べた。

「私の霊団の者はお二人を新参者とは思っておりません。悩み事を抱えて訪れる人に霊的自由、精神的自由、そして肉体的自由を与える仕事において私達に協力してくださっている仲間、同僚とみております。  

こうして、日々、霊の道具として働いておられる方をお迎えするのは、私の大きな喜びです。特に多くの霊媒の方達が、私との対話を楽しみにおいでになることを知って、私も満ち足りた気分になります。と言いますのも、皆さんは進化の高い界層からの高級霊の指導のもとに仕事をなさりながらも、その霊達が地上での仕事の為に本来の波動を下げており、[自分]を出すことを嫌う為に、その代表としてこの私に質問を用意して来られるのでしょう。  

ご注意申し上げたいのは、私も皆さんと同じく一個の人間的存在であること、宇宙の全知識、全真理を手にしたわけではないということです。

皆さんのご存知ない高い界層での生命活動の体験と、宇宙の摂理の働きについて幾ばくかの知識を身に付けてきましたので、それを聞く耳をもつ地上の人々にもおすそ分けしようと思っているまでのことです。  

どの霊能者、どの霊媒も拒みません。どなたも、こちらの情報源を通してそれぞれの使命について知らされ、なぜ今こうして地上に来ているかについて直観的に悟っておられることでしょうが、私が申し上げることはそうしたものといささかも矛盾しないどころか、改めてそれを確認し、更に、いかなる障害や困難に遭遇しても挫けることなく、更に邁進するよう元気づけてあげることができます。  霊的能力者が施すサービスは極めて特殊なもので、天賦の才能をもつ者のみの特権といってよいでしょう。そういう人達が辿る人生には、似通った過酷なパターンがあります。

必ず人生のどん底を味わい、もはや物質の世界には頼りにすべきものが無いと諦めた土壇場で、崇高な霊的真理との出会いがあります。  

魂の琴線に響く感動を味わう、その触媒となる体験を得るのがこの段階です。魂に内在する神性の火花に点火され、霊的意識が芽生え、霊界との間にリンクが出来ます。そのリンクは一度できると二度と切れることがないばかりか、霊力がその量を増しながら、そのリンクを通して流れ込みます。私が言わんとしていることがお分かりでしょうか」  二人が声を揃えて、

分かりますとも」と言うと、シルバーバーチが続ける。

 

そういうパターンを辿る以外に方法は無いのです。天賦の才能を授かっている人は、自分を含めあらゆる存在の源が物的なものではなく霊的なものにあるという真理に目覚めるには、絶体絶命の窮地の体験を味わうことになっているのです。  

霊媒能力は特権であると同時に、大きな責任があることも意味します。

生命力そのものを委託されているからです。その能力のお蔭で、病気の人々を癒し、霊の世界からのメッセージを届けるばかりでなく、あなた方のもとを訪れる人々の魂を目覚めさせ、本当の意味で生きるということ-暗闇の中ではなく真理の光の中で生きること-を教えてあげることが出来ます。お分かりでしょうか」

ドリス・ストーク「分かりますとも。霊媒としてまだ未熟だった頃から、私はあなたの教えを座右の書として読み、あなたを尊敬してまいりました。色々と教えて頂いております」

「そのように仰って頂くと、いささか当惑させられます。先程も申しました通り、私もあなたと同じ人間的存在にすぎないからです。が、私が少しでも皆さんのお役に立っているとすれば、それは私にとっての最大の報酬を頂いたようなものです。私も、物的カルマから超脱した高遠の世界の神霊のマウスピースとして、地上の皆さんに必要なメッセージをお届けするという仕事を、何よりの特権と心得ております。仕事中に手応えを感じ、たった一人の魂にでも霊的真理が根付いたことを知った時、地球浄化の大事業が着々と進捗していることを知って嬉しく思います。  今この部屋にいる私達一同、及び霊界で同じ仕事に携わっている同志達も、皆この崇高な計画の一翼を担っているのです。

その目的とするところは、地上の人間に本来の生き方を教え、肉体と精神を存分に発揮すると同時に、本来の自我である霊性をより一層顕現させるよう導くことです。

 かくして得られた人生の目的についての悟りは、本当はエデンの園であるべきでありながら今や身の毛もよだつ恐ろしい唯物病に冒されている地球を救済する為の手段でもあるのです。  お二人には、ご自分が貢献しているその成果を推し量ることは出来ませんが、大変な貢献をなさっておられます。それは本当は教会が行うべきものです。が、エスがいみじくも述べておりますように、キリスト教会は霊的真理の宝庫であるどころか、人間生活の問題や大きな可能性とは無縁の、空虚で陳腐で時代遅れの独善的な教義を説くしか能のない、

[白塗りの墓](注)と化しております。  

(注 ユダヤ教の律法学者やパリサイ人を[偽善者]と決め付けて白塗りの墓になぞらえたのであるが、ここでは霊性が欠片も見られなくなった、ただの建造物の意味に使用している)  

このように霊力は、大主教や主教や法王、司祭や牧師などを通してではなく、あなたのような、ごく普通の人間でありながら崇高な愛や叡知や霊力を預かることの出来る人を通して地上へ顕現されるように計画されているのです。  

 

悲しみの涙に暮れている、たった一人の人間の涙を拭ってあげることが出来れば、或いは不治の宣告を受けた人をたった一人でも治してあげることが出来たら、或いは出口の見えない迷路にはまった人に光明への道を教えてあげることが出来たら、それだけであなたの全人生が価値があったことになります。

 

私達の仕事も同じです。受け入れる用意の出来た人に霊力による援助を授けることです。

そういう人は色んな逆境の中であなたのもとを訪れます。愛する人を失った悲しみを抱えて、或いは人生に絶望して、或いは不治の病に冒された身体で、或いは悩みを抱え生きる意義を見失った等々、その動機は様々です。が、どの人も既成の宗教や科学や哲学や医学で解決策を見出すことが出来なかったのです。  

あなた方は崇高な使命を担った者として、日常生活において様々な困難に遭遇しますが、決して挫けてはいけません。何の面倒も生じないバラ色の人生など、およそ私達にはお約束できません。お約束できるのは、霊的な意味において使命の成就に勤しんでいれば、霊的に報われるということです。その段階に至って初めて、地上という物質界に降誕した意義があったことになるのです」

トークス女史

「一ヶ月前に他界したばかりの人が私(の入神現象)を通して地上に残した奥さんへ通信を送ってきたのですが、その話の中で霊界での朝と昼と夜の生活ぶりを語っています。霊界でも地上と同じ[一日]の生活があるのでしょうか」

「こちらへ来てまだ霊的バイブレーションに順応していない内は、地上時代と同じパターンの生活を営みます。低級界、いわゆる幽界は、色々な点で地上とそっくりです。これは、新参者にショックを与えないようにとの神の配慮なのです。いきなり環境が変わると順応が難しいからです。  そこで、今仰った方のように、こちらへ来てからも引き続き朝と昼と晩の生活を営む者がいることになります。そういうものという固定観念を抱いている為に、そうなるのです。こちらは思念が実在となる世界です。意識の変化が生じない限り、その状態が続きます。それとは別に、地上に残した愛する者の面倒を見たくて、より高い世界への向上を望まない者もいます。  こちらにも庭があり、家があり、湖があり、海があります。それぞれに実体があります。実在なのです。フワフワとした、形態のない世界ではありません。住民はやはり人間的存在です。ただ、物的身体がないというだけです。霊界の自然環境は芸術的な美しさで溢れ、とても言語では表現できません。  家屋に住まうということは自然なことです。こちらでも家の中での生活がありますが、こちらの家は、地上時代にその人が培った霊性が反映して自然にこしらえられているという点が、地上と違います(注)。その家に庭があるのも自然なことですが、庭木の手入れは、しなければならないと思えば、すればよろしいし、特に手入れをしなくても、その人の霊性に応じて手入れがなされます。そのように霊の世界の仕組みが出来ているのです。だからこそ新参者もショックを受けずに霊的環境に適応していくのです。

(注 死後に住まう家がこの地上生活中に着々とこしらえられているという話は、他の霊界通信でもよく出ている。信じられないのであるが、シルバーバーチまでがこうもはっきりと述べているとなると、信じざるを得ない。

地上では豪邸に住んでいても、その生活に霊性が欠けていれば、霊界では貧弱な家に住むことになるらしい。俗にいう「徳積み」が、霊的には生活環境となって具現化すると考えればよいのであろうか。その辺の原理を説いた通信は見当たらない)  霊の世界は進化の階梯を上昇しながら、上下の界が互いに融合し合っているのでして、平面上の地理によって区分けされているのではありません。

霊性が開発され、魂が向上するにつれて、より高い界層へと適応するようになり、自動的にその界に所属するようになります。こうしたことは完璧な働きの結果です。何一つとして偶然の産物は存在しません。  霊性に歪みがあれば、霊界の病院へ行って然るべき治療を受けることになります。霊界の孤児、つまり両親がまだ地上にいる子供の場合は[養母]にあたる霊が付き添います。地上的縁のある霊の場合もありますが、霊的な親和性の関係で付く場合もあります。その他、ありとあらゆる事情にそれなりの備えが用意されています。大自然の摂理は何一つ、誰一人として見落とすことはありません」  ここでシルバーバーチは話題を変えて、かつてストーク女史が[支配霊信仰]の話題を出した時のことに言及して、改めてこう述べた。

「これはとかく地上の人間が陥る過ちの一つでして、残念に思います。指導霊とか支配霊というのはどの霊媒にも付いています。が、

そういう資格を与えられた霊は、自分が崇拝の対象とされることは間違いであることを、よく承知しております(注)。  崇拝の対象は大霊以外にはありません。愛と叡知と摂理の権化です。私が皆さんからの感謝の言葉を有り難いと思いつつもお受けしないのは、そういう理由からです。

本来の崇拝の念は大霊へ向けられるべきであり、そこに親と子の関係にも似た、より深い融和が生まれます。その対象から外れて自分へ向けられるようになることは、支配霊として許されないことなのです」  (注 これはスピリチュアリズムという大事業の計画のもとに選ばれた指導霊や支配霊(この用語の区別に特に拘る必要はない)について言えることである。

霊的知識や教養のない霊能者の背後には崇拝の対象とされる-いわゆる

[神や仏に祭り上げられる]-のを得意に思う者がいて、歴史上や神話上の立派な名前を騙るようになる。その波動を受けて霊能者の方もそう思い込むようになる。  

この種の霊及び霊能者はもともと大事業の計画の中に組み込まれていなかったとみて差し支えない。

シルバーバーチの霊言の陰に隠れて存在が薄くなっている高級な霊言集に「ラマダーンの叡知」とか「ブラック・クラウドは語る」というのがある。ラマダーンもブラック・クラウドシルバーバーチが[同志]と呼んでいる高級霊であるが、やはり最後まで自分の地上時代の身元を明かさず、本当に通信を送っているのは自分より遙かに上層界の[光り輝く存在]であって、自分はそのマウスピースにすぎないと、シルバーバーチと同じことを言っている)           

                                                                 

 

                                           シルバーバーチ  最後の啓示

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