地球人類の霊的啓発と霊的救いというスピリチュアリズムの大目的は、霊的真理の普及によって達成されていきます。霊的真理が多くの人々に受け入れられ、実践されるようにともない、人類全体の霊性は向上していきます。しかし今述べたように地球人類にとって、心霊現象なしで初めから霊的真理を受け入れるということは不可能でした。
霊的真理を受け入れるためには、それに先立って霊魂の存在を認めなければなりません。「霊魂説」は霊的真理の最も基本ですから、人々が霊的真理の全体を理解するためにはまず「霊魂説」を受容することがどうしても必要になります、「人間は死んでも消滅することはない。霊として霊界で生き続ける」「霊界は我々が住んでいる物質世界に重複して存在している。同じ場所に次元を異(こと)にして存在している」「霊界に住む霊から、絶えず地上人に向けて働きかけがなされている。その働きかけによって心霊現象が引き起こされる」--こうした基本的な霊的真理、すなわち「霊魂説」を証明するために、霊界側は心霊現象を演出したのです。地上側に「霊魂説」が受け入れる状態が整ったとき、初めて次の段階として高次元の「霊的真理・霊的教訓」を、霊界通信を通して与えることができるようになるのです。
霊界側の意図は、どこまでも霊界通信によって高度な霊的情報・霊的知識を地上人にもたらすことにありました。したがって霊界からすれば種々の心霊現象の中で最も重要なものは、霊からのメッセージを伝える「霊界通信」ということになります。霊界側は、霊界通信というメッセージ伝達の手段を確保するために目を見張るような心霊現象を演出してきたのです。それによって「霊魂説」を立証し、霊魂(霊)の存在とその霊からのメッセージが届けられる可能性があることを人々に示してきました。それが初期スピリチュアリズムにおける心霊現象演出の、すべての目的だったのです。
スピリチュアリズムにおける心霊現象の位置づけと、心霊現象の推移 抜粋。