ミケランジェロは生涯に4つのピエターーー十字架から降ろされたイエスを、母マリアが抱きかかえる図柄---を製作している。
その最初が24歳のデビュー作であった。
現在バチカンにある。
ピエタである。
そして最後にとりくみ未完のまま終わったのが「ロンダニーニのピエタ」でありその作風はデビュー作とまったく異なり、研ぎ澄まされた精神性が表れている。ミケランジェロは89歳の生涯を終えるまで鑿を振るい続けた。
(引用)「ロンダニーニのピエタ」像は「ピエタ」だと教えられているから聖母マリアと十字架から降ろされた、イエス・キリストと思って観ようとするが、そういう知識を前もって与えられていなかったら、どんなふうに観えるのか。一人の倒れ掛かっている裸の男を後ろから抱き上げ引揚げようとしている頭衣を着けた女の人の像、ということになるだろう。
この彫刻には、女の人、にマリアというトリビュートは一切ない裾裳から剥き出した左脛はむしろマリアであってはならない様相を呈している。
イエスは素裸で聖痕もない・・・もう息を引き取っているのに、死んじゃだめ、と抱きしめながら心の奥で叫んでいる。「ロンダニーニのピエタ」鎮魂と蘇生えの必死の願いを籠めた像である。ミラノのスフォルッア城の奥のほうに展示してある「ロンダニーニのピエタ」の周りを巡って、いろいろな角度から眺めていると、はっとする姿にであう。
まるで二人が大きな羽根のようになって飛翔しようとしてる。・・・これこそ「昇天」の類希な形象化ではないだろうか。
備考、
「フェレンッエ」のピエタ同様、自らの死の予感や宗教的予感を強く抱きながら製作に取り組んだ、腰が曲がって頭が上げることすらままならず、さらには視力を失いながらも手探りで鑿を振るい、病に倒れる前日まで製作を続けたと伝えられている。
備考、
マイケルジャクソンはミケランジェロを尊敬していたようです。その創造意欲にはすざましいものがあります。
蒼氓。